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タイプサイズの単位(Typo size unit)


■タイプサイズの単位はメートル制以前に確立されたため、ふつうのメートル単位とは異なる。

 ヨーロッパではディドー・ポイントシステムがアンブロワーズ・ディドーによって1783年頃に発明された。ディドーのシステムはフルニエのシステムに基づいているが、ディドーはフルニエの単位を当時のフランスのインチ単位(French Royal inch [pouce])と整合させた。フルニエの単位はいかなる標準の単位にも正確に一致していなかったからである。

 しかし、当時のフランスのインチなどの基準となる計測単位を分割して求めた最小単位を何倍かに乗算することでさまざまな異なるタイプサイズを生成するという基本的な考えはディドーの創案ではなく、フルニエによるものであった。

 フルニエのシステムでは、フランスのインチ単位に近い値を12等分して1リーニュ(ligne)を算出し、さらにそれを6等分して1ポイントの大きさを算出している。
ディドーは基準となる単位を当時の政府が定めた標準値に正確に等しくなるようにしたにすぎない。

ディドー・ポイントにおいて

 ・1 point = 1/6 ligne = 1/72 French Royal inch = 1082797949/2880000000 mm = 約0.3759 mm

 ディドーおよびフルニエどちらのシステムにおいても、ポイントサイズのなかにはCicero などの伝統的な名前に対応するものがある。(ポイントシステムが導入される以前、活字の大きさはCicero, Pica, Ruby, Long Primer等と呼ばれていた。)

 ・1 cicero = 12 Didot points = 1/6 French Royal inch = 1082797949/240000000 mm = 約4.5117 mm

 ディドー・ポイントはヨーロッパ諸国でこれまで広く用いられてきた。.

 英国とアメリカ合衆国においては、数多くの活字サイズ標準化の提案が19世紀末までになされた。しかし、1886年にアメリカンポイントシステムが制定されるまで、国全体に通用するような活字サイズの標準は作られなかった。

 アメリカンポイントシステムはシカゴのマーダー・ルース社のネルソン・C・ホークスによって1870年代に提案された。ホークスのシステムはフルニエと同じサイズ分割の方法を用いた。すなわち、1インチを6等分して1パイカを算出し、それをさらに12等分することで1ポイントを得る。

 しかし、最終的に1886年に制定されたアメリカンポイントシステムは、ホークスの元々の考えとは違っていた。
規格は1パイカを正確に1/6インチ(英米式のインチ)としなかったのである。これは、合衆国活字業協会が標準のパイカの大きさをいわゆるジョンソンパイカと定めたからである。ジョンソンパイカはフィラデルフィアのマッケーラー・スミスズ・アンド・ジョーダン活字鋳造所が採用していた。そこは当時大きな影響力をもっていたため、他の活字鋳造所の多くがジョンソンパイカを用いていた。
また、マッケーラー・スミスズ・アンド・ジョーダン活字鋳造所が83パイカを35センチメートルと定めた。

 ジョンソンパイカはローレンス・ジョンソンの名に由来する。
 ジョンソンは1833年にビニー・アンド・ロナルドソン活字鋳造所の経営を引き継いだ。ビニー・アンド・ロナルドソンは合衆国最古の活字鋳造所のひとつで、フィラデルフィアに1796年に設立された。ビニー・アンド・ロナルドソンはベンジャミン・フランクリンの鋳造所(1786年設立)が用いていた活字鋳造用器材を購入していた。フランクリンの鋳造所は後に彼の孫のベンジャミン・フランクリン・バーチが経営していた。その器材は、ベンジャミン・フランクリンが外交上の目的で滞在(1776?1785)したフランスでピエール・シモン・フルニエから購入したものと考えられる。

アメリカンポイントシステムにおいて

    ・1 pica = 35/83 centimeters = 約0.1660 inch
    ・1 point = 1/12 pica = 175/498 mm = 約0.3514 mm

従来、アメリカンポイントシステムはアメリカ合衆国、英国その他日本を含む諸国で用いられてきた。

 今日のDTPソフトウェアが用いるタイプサイズの単位は、上に述べた伝統的なタイプサイズの単位とは異なる。大抵のデジタル印刷システムにおいては以下の式が適用されている。

    ・1 pica = 1/6 inch(現在英米で用いられているインチ)
    ・1 point = 1/12 pica = 1/72 inch = 127/360 mm = 約 0.3528 mm

 今日のデジタルタイポグラフィでは、元々のフルニエによる分割方法が復活していることがわかる。フルニエの偉大さでも、称えて終わろうか。

*この記事は以下の英文記事の翻訳です。

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